コントロール・ポットは、ギター・サウンドを左右する!
ギター大好き~ミチヒサだよ!
今日は、コントロール・ポットについて。
(このページは “音楽ギター編:Vol.45” になります)
・種類が多すぎて、選べないんだけど!
などなど…。
コントロール・ポット(以下ポット)と一言で言っても、抵抗値・カーブ・規格・サイズ等、様々な種類がある。
普段は気にしていないかもしれないが、ポットを交換すると劇的にサウンドが変わったりする。
私はギターを買ったら、まずポットをチェックする。愛用のポットが付いていなければ、すぐに交換するようにしている。
どれを選べばいいか、分からないって?でも、大丈夫~私は全力で応援するよ!
ここでは、私があなたの友達!
良いポットを使って、ギター本来の音を取り戻そう!
当たり前の話しだが、ギターを買えばポットは必ず付いている。では、そのポットはギター本来のサウンドを、100%生かしているのか?
良いポットとは、そのギターのポテンシャルをキチンと引き出してくれる。逆に悪いポットは、ギター音来のサウンドを殺してしまっている。
・音質
・耐久性
・操作性
要は、良いポットは当たり前の仕事をしてくれる!ということなんだよね。
軽視されがちなポットだが、その効果は大きいので、あなたの耳で是非確かめてほしい。
ポットって何?
まずは、ここから話さなければならなかったね。
ギターのボリューム(トーン)を、手元で調整するためのもので、正式名称はポテンションメーター。日本語に訳すと、可変抵抗器となる。
抵抗器とは、電気を流れにくくする電子パーツ。数値が大きくなるほど、電気を流しにくくなる。
この抵抗値を変化させることによって、ボリューム(トーン)を調整している。
ポットは、ボリュームもトーンも同じ。それぞれ専用のポットというのはないので、覚えておこう。
では、あなたのギターには、どのポットがいいのか?ポットは、様々な種類があるのでポイントを押さえて話していこう!
抵抗値(Ω)!
通常、ポットの抵抗値は、ピック・アップに合わせて選択する。SSHといった複数のピック・アップが混在する場合は、抵抗値の高い方に合わせている。
ポットの抵抗値で、どれだけサウンドが変わるのか?
抵抗値が大きくなると、高音域が強調されていくため、シングル・ピック・アップには低めの抵抗値。ハムバッキング・ピック・アップには、高めの抵抗値を使用している。
・250kΩ
3シングルのストラト・キャスターのように、シングル・ピック・アップのギターに使用される。サウンドのバランスは、とても良い。
・500kΩ
ハムバッキング・ピック・アップのギターに使用される。ハイ落ちするため、抵抗値を大きくして高音域の損失を抑えている。
・300kΩ
P90との相性が、とても良い。高音域が、若干マイルドになるのが特徴。年代によって、レスポールにも使われている。
・1MΩ
ジャズ・マスターでお馴染みの、レンジの広いサウンドが特徴。テレキャスターでも、使われていることがある。
・25kΩ
アクティブ・ピック・アップのギターに使用される。抵抗値が、ロー・インピーダンスのため、抵抗値の低いポットとなる。
アクティブ・ピック・アップの場合は、SSHといった複数のピック・アップが混在していても、25kΩで大丈夫だよ。
基本はピック・アップに合わせるが、これも絶対ではない。
高音域を失いたくなければ抵抗値を高く、マイルドなサウンドにしたければ抵抗値を低くする。
あなたのサウンドの好みで、抵抗値を選んでみるのもいいだろう。
カーブ!
カーブとは抵抗値の変化率のことで、3種類(A・B・C)のカーブがある。
ギターの場合は、AカーブかBカーブを使うことが多い。それぞれの特徴を、解説していこう。
・Aカーブ:オーディオ・テーパー
人間の聴覚に於いて、音量変化が自然に聞こえるように補正したのがAカーブ。ギターのボリュームをコントロールする場合にはおすすめ。
抵抗値の変化が変則的なのに、ノブの操作に対し音量変化が自然に聞こえるから不思議だよね。
・Bカーブ:リニア・テーパー
抵抗値が、ノブの操作に対し一定に変わるのがBカーブ。トーンに使うと、急激にハイ落ちするので、使われることは少ない。
フル10からの絞り始めは、音量変化が少ない。途中から急激に変化するので、その辺りの微妙なサウンドを使う場合にはおすすめ。
・Cカーブ:リバース・オーディオ
Aカーブの、真逆の特性を持っている。左利きギターのコントロールに、使われる。
電気的な変化だとBカーブが一定だが、人の耳が感じる変化はそうではないから面白い。
ギターのヴォリュームは全開で使うことが多いので、あなたが使いやすい方で大丈夫。
トーンも、Aカーブ使った方が変化が自然に聞こえる。Bカーブを使うと急激に変化するので、それを上手く利用するかどうかだね。
規格!
ポットには、インチ規格とミリ規格の2種類がある。
基本的な考えは家電等と同じで、欧米製はインチ規格、国産・アジア製はミリ規格となっている。
もちろん例外もあって、EMG社のポットはミリ規格が使われていたり、国産・アジア製でも、インチ規格の使われていることもある。
ポットは、シャフト(ヴォリューム&トーンのコントロール・ノブを取り付ける部分)と、取り付け軸(ピック・ガード等に取り付ける部分)で作られている。
シャフトの形状には2種類あり、シャフトがギザギザとなっているものをスプリット・シャフト。ギザギザのないシャフトは、ソリッド・シャフトという。
・インチ規格
スプリット・シャフトは、ミリ規格よりギザギザが細かい。取り付け軸は軸径が約9.5mm(3/8インチ)で、ミリ規格より太い。
・ミリ規格
スプリット・シャフトは、インチ規格よりギザギザの幅が広い。取り付け軸は軸径が7(スモール・ポット)~8(ラージ・ポット)mmで、インチ規格よりも細い。
あなたが使っているポットと同じものにすれば、ポン付けできるので心配はない。他方への規格にする場合は、注意が必要だ。
規格が変わると、スプリット・シャフトのサイズも変わるため、今まで使っていたノブが使えなくなることもある。
変わったところでは、シャフトと取り付け軸が別々の規格というポットもある。シャフトがミリ規格で、取り付け軸がインチ規格というものだ。
因みに、ソリッド・シャフトの径は、見た目には分かりづらい。インチ規格は約6.35mm、ミリ規格は約6mmとなる。
ちょっと面倒ではあるが、しっかり調べてポットを選ぶようにしよう。
因みに、こちらがソリッド・シャフトの形状となる。
取り付け軸!
取り付け軸は、ギターによって異なるので、あなたの使っているギターを見るまでは分からない。
但し、見ればすぐに分かるので心配はないよ。取り付け軸は、3種類ある。
・ショート・タイプ
ショート・タイプと呼んでいるが、スタンダード・タイプと言っていいだろう。取り付け軸の高さは、約9mmとなる。
ピック・ガード付きギター、フラット・トップのギター等に使われている。実際は、ショート・タイプやスタンダード・タイプと表記されていないことが多い。
・ロング・タイプ
取り付け軸の高さは、約18.5mmとなる。トップ材が厚いギター、ギブソン等のアーチ・トップで、ボディに取り付けられているギターに使用する。
この手のギターに、ショート・タイプを使うと、ネジが出てこないのでナットで締められないためだ。
・ヴィンテージ・タイプ
取り付け軸の高さは、約6mmとなる。ピック・ガード付きギター、コントロール・プレートが薄いギター等に使われている。
フェンダーのギターには、純正で使われているタイプだ。ポットの底面が、くぼんでいるので、通称へそ付きと呼ばれている。
規格のところでも書いたが、インチ規格とミリ規格で穴の直径が違うので、同じタイプを選ぶようにしよう。
ミリ規格→インチ規格に代えると、穴を広げなければならない。逆の場合は、元の穴が大きいので取付が不安定になる。
どうしても付けたい時は、SONIC POT ADAPTOR RINGという便利なものがあるけどね。
トルク!
トルクの話しなんて、誰にもしたことなかったな。ここまでくると、パーツ・マニアなんて言われそうだが(笑)。
ポッドのトルクの重さや軽さなんて、最初は気にもしなかったが、あるギターに変えた時にポッドに指が触ることが多くなった。
ヴォリュームが下がるので、これは何とかしなければ!と思い、楽器店で相談したら重いトルクのポッドがあると教えてもらった。
トルクに関しては好みだから、あなたが好きな方を選ぼう。
バイオリン奏法や、微妙にヴォリュームを動かす人は、軽いトルクがいいだろう。私と同じように、弾いてる時に触ってしまう…という人は、重いトルクにしよう。
見分け方は…。
・軽いトルク:ポットの底辺の中央に、へそが付いている。
・重いトルク:ポットの底辺が、フラットになっている。
最近は、へそが付いていなくても、軽いトルクもあるんだけどね。
サイズ!
サイズは、2種類ある。あなたが使っているギターを見れば、すぐに分かるので問題はないよ。
・スタンダード・サイズ
殆どのギターは、このスタンダード・サイズのポットになる。
・ミニ・サイズ
コントロール・キャビティが狭いギターには、ミニ・サイズのポットが使われている。
この2つは、大きさが違うだけで機能は同じ。
但し、ミニ・サイズの代わりにスタンダード・サイズを使うと、コントロール・キャビティに収まらないことがある。
ポン付けするためにも、同じサイズを選ぶようにしよう!
その他のポット!
ギターも進化していく中、ポットもそれらに合わせ進化している。もう特殊とは呼べないかもしれないが、変わったポットを紹介しよう。
・プッシュ・プル・スイッチ付コントロール・ポット
スイッチ機能が付いたポットで、ノブを上下させてスイッチを切り替えるタイプ。
・プッシュ・ロック・スイッチ付コントロールポット
こちらも、スイッチ機能が付いたポットで、ノブを押し込む毎にスイッチが切り替わるタイプ。
・バランサー・ポット
ピック・アップ出力バランス調整、ハイ&ロー・カットのコントロール等に使用。1軸2連ポットになっていて、ボリューム・コントロール・ポット、バランサー・ポット等がある。
ポットは、どこのメーカーがいいの?とも、よく聞かれる。
色々なメーカーから発売されているが、最初はCTS社をおすすめする。もちろん好みもあるから、ここをスタートにするのがいいだろう。
製品の安定性・耐久性・音質等、私が今まで使ってきた中で、一番安心できるポットだ。
最後に!
ギタリストには、最初のギター・カスタムは、ポット交換!と豪語する人もいる。
ピック・アップを交換するより、効果が大きいとも言われている。
ギターのサウンドを100%引き出すためにも、良質なポットを使う。本来のギター・サウンドを取り戻すためなんだよね。
何だか、色々と面倒くさいな~と思うかもしれないが、ポイントを押さえておけば大丈夫。初めてポット交換する時は…。
抵抗値・規格・取り付け軸・サイズは、同じものをチョイス。カーブは、基本はAカーブ。トルクは、好みで。
良質なポットが付いていれば、交換の必要はないよね?と、聞かれることがある。
必要はないけど、ポットは消耗品だから、ガリが出てきたら交換しよう。
もちろん、ギター・サウンドの変化が大きいので、敢えて交換することもある。この辺りは、色々試して変化を実感していくしかないのだが…。
因みに、私の持っている3シングル・ピック・アップのギターは、250Ωから500Ωに交換している。抜け感があって、パワフルになるんだよね。
弦やピック・アップを変える感覚で、気楽に試して欲しいね。
コントロール・ポットは、ギター・サウンドを左右する!
コメント