サウンドの核は、フィンガー・ボード上にあり!
ギター大好き~ミチヒサだよ!
今日は、フィンガー・ボード関連について。
(このページは “音楽ギター編:Vol.41” になります)
・フィンガー・ボードの種類が知りたい!
などなど…。
ギターは見た目が一番!と言うのは、今も変わらない。更に、サウンドが好みで、弾きやすければ言うことないよね。
実は、サウンドや弾き心地を左右するのは、フィンガー・ボードとフレットなんだよね。
どんなものを選べばいいのか、分からない?でも、大丈夫~私は全力で応援するよ!
ここでは、私があなたの友達!
ある一言から、フィンガー・ボード上に注目!
ギターを始めて、最初に拘ったのはボディ材だった。重さはもちろん、サウンドが大きく変わると感じていた。
ネックに関しては、メイプルかマホガニー。私はストラト・モデルが好きだから、殆どが強制的にメイプルになる。
フィンガー・ボードは、メイプルかローズ・ウッド。フレットに関しては、レギュラーかジャンボくらいしか区別していなかった。
ネック部分に関しては、あまり気にしていなかった…というのが、本音だった。
ある日、共演者のギター・テクの一言から、フィンガー・ボード上に秘密があるのでは?と感じるようになった。
弾き手が同じだと、サウンドは殆ど変わらない!?
当時、ライブで使っていたギターは、アイバニーズの6弦と7弦ギター。スペックに関しては、以下の通り。
・6弦ギター
ボディ:アルダー
ネック:メイプル
フィンガー・ボード:エボニー
フレット:ニッケル・ジャンボ・フレット
・7弦ギター
ボディ:アメリカン・バスウッド
ネック:メイプル
フィンガー・ボード:エボニー
フレット:ニッケル・ジャンボ・フレット
ギター・テクの一言とは…。
6弦も7弦も、サウンドは殆ど変わらないですね!
確かに、7弦ギターを6弦ギターのサウンドに近づけるようにしていた。ボディ材が違うので、難しいな~と思っていたが…。
第三者が聴けば、そんなに変わらないのか?ハイ・フレットでは、近いサウンドは出していたと思うけどね。
ボディ材での影響は、思ったより小さいのかもしれない。そう感じると共に、フィンガー・ボード上に興味を持つようになった。
フィンガー・ボードの種類!
フィンガー・ボードは、弦の振動を受け止めるパーツだから、サウンドに影響が出る。フレットを支える重要なものなので、丈夫で硬い木材が使われている。
ギターで使われるフィンガー・ボードは、基本3種類。それぞれの、特徴を紹介していこう。
・メイプル
北米の寒い地方で採取される、硬度の高い白色の木材。立ち上がりの良いアタック感で高音にハリがあり、サスティーンを得られる透き通った響きがある。
ソフト・メイプルとハード・メイプルがあるが、フィンガー・ボード指板にはハード・メイプルを使う。
塗装は好みになるが、無塗装やオイル・フィニッシュは汚れが付着していく。この辺りは、好みが分かれるところだね。
メイプル・ネックに、直接フレットを打ち込まれたものを1ピース・ネック。メイプルのフィンガー・ボードを貼りつけたものを貼りメイプルと呼ぶ。
・ローズウッド
世界中の広い産地で採取される、粘りがある焦げ茶色の木材。メイプルに比べ、アタックがマイルドで中低域が太い。
ローズウッドには幾つかの種類があるが、ほとんどはインディアン・ローズウッドとなる。幅広い音色で、バランスが良いのが特徴だ。
他には、中米のホンジュラスで採取されるホンジュラス・ローズウッド。マダガスカル島周辺で採取されるマダガスカル・ローズウッド。
中でも希少なのが、ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)。ブラジルのバイア州でしか採取されない、とても希少な木材だ。
・エボニー
こちらも世界中で採取される、高密度の堅い漆黒の木材。極めて硬質で、立ち上がりが良くタイトな高音で、独特のコンプ感がある。
真黒のエボニーは、木の芯からしか採れない貴重な材木。更に、成長するまでに200年以上かかる。
エボニーにも幾つかの種類があるが、一番多く使われているのはセイロン・エボニーだ。スリランカのセイロン島原で採取され、心材のみが漆黒となる。
他には、インドネシアで採取されるマカッサル・エボニーで、縞模様の杢目が入っている。
東南アジアで採取されるペールムーン・エボニーは、境界線が入った黒と白の縞模様となる。
今後、フィンガー・ボードは多種になる!
実は、フィンガー・ボードに使われる材木は、一部入手困難になっている。メイプルは安定的に入手できるが、今後ローズウッドとエボニーは入手困難になっていく。
一部の木材は、絶滅危惧種としてワシントン条約で規制対象になり、価格が高騰しているからだ。代替材を、少し紹介しよう。
・パーフェロー
ボリビアン・ローズウッドとも呼ばれ、ローズウッドの代替材として注目されている。サウンドは、エボニーに近い硬質で、色味が薄いのが特徴だ。
・ウェンジ
アフリカで採取されるものをウェンジと呼び、東南アジアで採取されるものはタガヤサンと呼ばれている。サウンドは、ローズウッドとエボニーの中間くらいだね。
・ブラックウッドテック
ニュージーランドで造林にて栽培されているラジアータパインを、天然素材のみを使用した圧縮材。硬質で、温度や湿度による変化の少ない安定性がある。
・リッチライト
パルプ繊維を圧縮し、フェノール樹脂を混ぜてカーボンで着色した人工素材。
リッチライトのメリットは、頑丈で個体差がないので、温度や湿度の環境変化に強い。乾燥対策として、オイル等を塗るなどのメンテナンスは必要ない。
リッチライトとエボニーは、見た目もサウンドも違いが殆ど分からない。エボニーの代替材として、マーチンやギブソンで使われていた。
今後、人工素材の代替材は一般的になるかもしれない。
デメリットとしては、フィンガー・ボードとして長期間使った場合どうなるのか?人工素材の歴史はあっても、フィンガー・ボードの歴史は浅いからね。
フレットの種類!
フレットとは、フィンガー・ボード上に打ち込まれた金属の棒のこと。ギターの音階を付けるパーツとなる。
弦とこすれて削れていったり、経年劣化で腐食していく。局部的に削れると、ビビりの原因となったりする。
弾きにくくなったり、音が悪くなったりするので、擦り合わせやリフレットが必要になる。フレットは、消耗品と思っておこう。
フレットは、大きく分けて2種類。それぞれの、特徴を紹介しよう。
・ニッケルシルバー
定番のフレット素材で、銅・ニッケル・亜鉛の合金。加工はしやすいが、弦よりも柔らかい素材なので削られていってしまう。
・ステンレス
その名の通り、錆びにくい・汚れにくい・丈夫。くすまずに、美しさを維持できる。弦よりも硬い素材なので、フレットが削れることも殆どない。
サウンドは、ニッケルシルバーは全域のバランスが良い。ステンレスは、ニッケルシルバーに比べて音は硬くなる。
好みは分かれるところだが、ニッケルシルバーとステンレスの美味しいところを取ったフレットもある。
Freedom Custom Guitar Researchの、ステンレス・フレットだ。ステンレス特有の高音域の硬さが、和らげられている。
従来のステンレスより耐久性は落ちるが、ニッケルシルバーより強い。硬めのスピーディと、柔らめのウォームの2種類がある。
フレットのサイズで、サウンドも弾き心地も変わる!
楽器店で、じっくりフレットを見てみよう。ギターによって、少しづつフレットの大きさが違う。これは、サウンドや弾き心地にも大きく影響してくる。
フレット部分には、呼び名がある。
・クラウン
指板から出ている部分で、弦を受け止めるクラウン(冠)。
・タング
フィンガー・ボードの中の部分で、埋め込まれているタング(舌)。
よく聞くフレットのサイズというのは、クラウンのサイズと覚えておこう。このクラウンのサイズで、サウンドや弾き心地が変わってくる。
・幅
広くなれば、スムースなフィンガーリングになり、サウンドは鮮明になる。狭くなれば、弦との接地面が減るので、サスティーンが伸びるようになる。
・高さ
高くなれば、軽い力で押せるので、チョーキングやハンマリング等のプレイがしやすくなる。但し、音がシャープすることがあるので、注意が必要だ。
サウンドは、クラウンの金属量の多さに比例してくる。少なければ、木の音を感じる丸みのあるサウンド。多ければ、金属的なタイトなサウンドになる。
例えば、フェンダー系はナロー・トールといって、クラウンの幅が狭く高い。ギブソン系は、フレットレス・ワンダーといって、クラウンの幅が低く広い。
他にも、ヴィンテージタイプやジャンボ等、数多くの種類がある。
普段は、タングのサイズは気にする必要はないが、フレット交換時には同じ以上の大きさを選ぶようにしよう。
フレットの、擦り合わせ&リフレット!
フレットは、弦との摩擦によって削られていってしまう。ステンレスと言えど、絶対に削れないわけではない。
削られると、その部分は低くなっていく。あまり使っていないフレットとの差が、大きくなってくる。
フレットの高さはがバラバラになって、弾きにくくなったり、ビビリの原因にもなる。この場合、二つの対処法がある。
・擦り合わせ
削れたフレットの高さが問題なければ、全体的にフレットを削っていく。金額も安く、リペアの日数も短く済む。
・リフレット
フレットが低くなっていたり、極端に削れていれば、フレットを交換しなければならない。フィンガー・ボード、ネック・ジョイント、フレットの種類によって金額は変わってくる。
実は、ギター・ケースに入れて持ち運ぶ際にも、フレットは傷んでいる。ケース内で、弦がフレットに押しつけられるので、凹みを作ってしまうことがある。
ステンレと言えども、油断は禁物だ!そうならないように、フレット・ガードを使うようにしよう。弦とフレットの間に差し込むだけなので、手間はかからないよ。
最後に!
共演者のギター・テクの一言がなかったら、フィンガー・ボードやフレットを詳しく調べることはなかったかもしれない。
特にフレットは、弦振動の支点になるので、サイズによるサウンドの違いが大きい。耐久性や、弾き心地も全く変わってくるからね。
ピック・アップのように、簡単に交換!とはいかないが、気になるフィンガー・ボードやフレットがあったら楽器店で試奏してみよう。
新しいギターを買う時や、リフレットの際に参考になるからね。あと、好きなミュージシャンが使っているフレットにするのも、いいだろう。
サウンドの核は、フィンガー・ボード上にあり!
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