ギター・ヘッドには、メーカーの拘りがつまっている!
ギター大好き~ミチヒサだよ!
今日は、ギター・ヘッドについて。
(このページは “音楽ギター編:Vol.42” になります)
・他メーカーと、同じ形を使っているのは大丈夫なの?
などなど…。
ギターに拘るポイントは、今までもたくさん紹介してきた。見た目が一番!なんだけど、ギター・ヘッドまで考えたことはあるかな?
私は、ヘッド・シェイプが気に入らなくて、諦めたギターがある。メーカーは好きなのに、このボディ・シェイプには似合わない…。
この辺りは、個人の好みだから仕方ないんだけどね。こんな経験から、ギター・ヘッドを調べることになった。
ギター・ヘッドのことなんて、分からない?でも、大丈夫~私は全力で応援するよ!
ここでは、私があなたの友達!
ギターの見た目は、ヘッド・シェイプが重要!
初めてギターを買う時に、ストラト系にするか、レスポール系にするか。はたまた、変形ギターにするか…。
ボディ・シェイプを考えても、ヘッド・シェイプを考えることはないだろう。ヘッド・シェイプは、メーカーの拘りだから仕方ないと思う。
例えば、美しいキルティッド・メイプル・ボディのストラト系のギターを、並べて見てみよう。どちらも、その美しさに惚れ惚れするだろう。
では、ヘッド・シェイプも含めて見比べてみよう。かなり、イメージが変わるのでは?
メーカーに拘りがなければ、全体像でギターを選ぶはずだ。最後の決め手が、気にしていなかったヘッド・シェイプだった。
これは、私の経験談なんだけどね(笑)。
ボディとネック(ヘッド・シェイプ含)は、安易に交換ができないから拘りのポイントになる。
ヘッド・シェイプは、メーカーの象徴!
フェンダーやギブソンのヘッド・シェイプは、誰が見ても一目瞭然。これこそが、メーカーの象徴であり、ブランド力だ!
もちろん、ボディ・シェイプを見て分かるメーカーもあるけど、ヘッドにはロゴも含めたオリジナリティがある。
ロゴを含めたヘッド・シェイプは、ライセンス取得されていることが多いので、同じものを作ることはできない。
違うメーカーで、同じヘッド・シェイプを使うためには、ライセンス認証されなければならない。殆ど認められることは、ないけどね…。
ヘッド・シェイプは、各メーカーのオリジナル力が求められる!と、分かってもらえたかな?
ヘッドは、実は2種類しか存在しない!
え?メーカーによって、ヘッドはそれぞれ違うでしょ!
それは、ヘッド・シェイプのことで、単純にヘッドというのは2種類しかない。
あなたが持っているギターを、横から見てほしい。ネックに対して、角度が付いているか?付いていないか?
ギター・ヘッドは、このどちらでしかない。
・角度が付いているヘッド
意外にも、最初に作られたギターは、角度が付いているヘッドだった。今でも、当たり前のように使われているヘッドになる。
ナットに均等にテンションをかけるために、角度をつける必要性があるので、こういった角度を付つけるヘッドになった。
角度が付いていないヘッドに比べて、強度は落ちる。技術的にも難しいので、生産性が悪いのがデメリットとなる。
角度が付いているヘッドも、スカーフ・ジョイントという技術で強度をアップさせることになった。
・角度が付いていないヘッド
生産性の向上や強度アップのため、フェンダーが開発したヘッド。
ナットに均等にテンションがかからないので、1~2弦にはストリング・ガイド(弦を抑える金具)がついている。
1~2弦はペグまでの距離が遠いため、弦が浮いてしまう。テンションがかからないと、弾きにくくなったり、ナットから弦落ちすることもある。
3弦もプレーン弦のため、テンションが緩くなる。ストリング・ガイドが付いていなければ、巻き数を取って角度を付けるようにしよう。
ストリング・ガイドは、リテーナー、テンション・ピン(バー)と呼び方は色々ある。
ペグの配列は、ヘッド・シェイプで決まる!
ヘッド・シェイプによって、ペグの配置は決まってくる。これは、鶏と卵の話しと同じで、どちらが先かはメーカーによるけどね。
ペグの配列に代表されるのは、フェンダー等の片側6個と、ギブソン等の両側3個づつだろう。
私が使っているミュージック・マンの7弦ギターは、左側に5個+右側2個になっている(6弦は、左側に4個+右側2個)。
他にも、キラーは左側に5個+右側1個という配列もある。
ヘッド・シェイプには、名称が付いているものもある。フェンダー等の片側6個のヘッド・シェイプは、クローシャン・ヘッドと呼ばれている。
レオ・フェンダーが、Bigsby製のギターにインスパイアされて作られたと言われている。
他にも、同じクローシャン・ヘッドで、ジャクソンの尖ったヘッド・シェイプはコンコルド・ヘッド。
クレイマーの出っ張りのないヘッド・シェイプはバナナ・ヘッドと呼ばれている。
ギブソンは、オープンブック・ヘッドと呼ぶようだが、私も含めてギブソン・ヘッドって言ってるな~。
ギブソン・ヘッドに似ているエピフォンは、ナックル・ヘッドと呼ばれている。近年は、カラマズー・ヘッドになったが、本家より呼称があるのも笑えるね。
クローシャン・ヘッドの多くは、ナット→ペグまでが一直線になっている。一方、ギブソン・ヘッドは、放射状に弦が広がっている。
ナット→ペグが放射状に弦が広がっているヘッドに比べ、一直線になっている方がチューニングが狂いにくい。
ギブソンと同じタイプでも、PRSはナット→ペグまでが一直線になっている。
ペグの配置が、ギブソンとPRSでは違う。ギブソンは内側が1弦・外側が3弦になっていて、PRSは外側が1弦・内側が3弦となるので弦が一直線になる。
ヘッド・シェイプは、見た目だけではなく、細かいところも進化しているのが分かるだろう!
リバース・ヘッドは、何か変化があるの?
1弦側にペグが6個配置されているヘッド・シェイプは、リバース・ヘッドと呼ばれている。では、何が一番違うのか?
先端が上を向いていて、カッコいい!
え?そうではなくて、サウンドや弾き心地の話しが聞きたい?
リバース・ヘッドは、ナットから1弦のペグまでが短くなり、6弦側が長くなる。通常のヘッドと比べると、弦のテンションのバランスが入れ替わっている。
テンションの話しは、以前にも話したことがあるが、弦が長いとテンションが強く(高く)なる。
リバース・ヘッドは6弦側が長くなるので、6弦側のテンションが強く(高く)なるということになる。
これを踏まえると、低音弦のサウンドはルーズになり、高音弦のサウンドはキンキンになる。但し…。
スケールと弦の太さが同じなら、弦の張力は一緒!
私は、あまり影響はないと思ってる。
チョーキングの時は、少し影響があるかもだけど…。ロック式の場合は、全く気にすることはないよ。
リバース・ヘッドは、見た目が好きかどうか?この1点で考えていい。
ヘッド・シェイプで、サウンドは変わる!
当たり前の話しだが、ヘッド・シェイプでヘッドの重量は変化する。ヘッドの重量は、ギター・サウンドに影響する。
・ヘッドの重量が軽い
弦の振動がヘッドに伝わった時に、ヘッドが振動して倍音が豊かになる。同時に、振動がヘッドで消費されるため、サスティーンはそれほど得られない。
サウンド的には、ソリッドでモダンな感じだ。
・ヘッドの重量が重い
あまりヘッドは振動しないので、倍音は抑えられる。振動のエネルギーは弦に留まるため、サスティーンが豊かになる。
サウンド的には、引き締まった感じになる。
実は、ロックはギターにも影響を与えることになる。ロック・ギターに求められていたサウンドは、引き締まったサスティーンだった。
1970年代前後には、フェンダーはラージ・ヘッドを採用。ギブソンはヘッド・シェイプを大きくし、ヘッドの根元にボリュートをつけるようになった。
フェンダーは、ラージ・ヘッドにすることで、メーカー名を大きくテレビに映す!という話しもあるんだけどね(笑)。
ヘッドの重量が、ギター・サウンドに影響を及ぼす!ということで、フェンダーはファットフィンガーという後付けパーツを出している。
ファットフィンガーをヘッドに付けると、ヘッドの重量が増すのでサスティーンが伸びる。ギター用とベース用で重量が違うが、どちらを使っても大丈夫。
サウンドが変わるので、使い分けするのも面白いだろう。
ペグでも、サウンドは変化する。ペグについては、またの機会に紹介しよう。
ヘッドレスのサウンドは、どうなる?
1980年に、スタインバーガーが登場。ヘッドレス・ギターのインパクトは絶大で、ギターの常識を覆すことになった。
見た目だけではなく、ボディとネックにグラファイトを使用。グラファイトは硬質なため、温度や湿度に影響を受けない。安定性というのも、評価の一つだった。
一時期ヘッドレス・ギターは低迷していたが、近年は世界中で続々と発売されている。やっと、時代が追いついてきたんだろうね。
ヘッドの重量でサウンドが変化すると話してきたが、ヘッドレスになるとサウンドはどうなるのか?
ヘッドの振動がないので、弦振動はネックの先端部分で受け止めることになる。ヘッドレス特有のスッキリと引き締まった、伸びるサウンドが得られる。
ペグはブリッジ側にあるので、ヘッドのあるギターとは違った独特のサウンドとなる。ペグに巻き付けないので、チューニングの狂いが少なくなるのも利点だね。
ヘッドレス・ギターは、グラファイト・ネック以外にも、通常のギターのようにメイプル・ネックもある。
グラファイトには、トラスロッドがない。通常のネックに近いサウンドを得るために、トラスロッドを仕込んだサイバーソニック・ネックというものもある。
サイバーソニック・ネックは、グラファイトに3ピース・メイプルネックを収めて、フェノール樹脂のフィンガー・ボードで塞いでいる。
最後に!
普段は、あまり気にすることのないヘッド・シェイプだが、奥が深いパーツだと分かってもらえたかな?
私自身がヘッド・シェイプに興味を持ったのが、1972年製のフェンダー・ストラトキャスターを手に入れた時だった。
所謂ラージ・ヘッドで、友人の持っていたスモール・ヘッドを弾いた時に、明らかにサウンドが異なることにビックリした。
メーカーでは、ヘッドでの音響を研究してヘッド・シェイプを決めているところもあるくらいだからね。
ヘッド・シェイプだけでギターを買う人はいないだろうけど、サウンドにもたらす効果は大きい!ということは覚えていてほしい。
サウンドの核は、フィンガー・ボード上にあり!
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