1960年代にリリースされた、フランク・ザッパの名盤!
ギター大好き~ミチヒサだよ!
今日は、フランク・ザッパのアルバム(1960年代)について。
(このページは “音楽ロック編:Vol.15” になります)
・アルバムが多すぎて、どれを聴けばいいの?
などなど…。
私が、多大なる影響を受けたミュージシャン、フランク・ザッパ。
初めて聴いたのは10歳の頃だったが、その時は全く理解できなかった。最初に聴いたアルバムが、難解過ぎたこともあったが…。
いつかは彼の音楽を、心から楽しみたい!と思ったのが、音楽に対する視野を広げていった。
フランク・ザッパの音楽に出会わなければ、世界の音楽に興味を持たなかっただろう。そういった意味で、彼は私に音楽の素晴らしさを教えてくれた。
ここでは、1960年代のアルバムを紹介していくよ!心配はないよ、だって…。
ここでは、私があなたの友達!
フランク・ザッパ誕生!
フランク・ザッパは、本名フランシス・ヴィンセント・ザッパ。1940年12月21日、メリーランド州ボルチモアで生まれた。
彼が楽器を始めたのは、12歳の時でドラムからだった。14歳の時に、エドガー・ヴァレーズに興味を持ち、この頃から作曲を始めるようになる。
8人編成の、ザ・ブラックアウツを結成。この時のヴォーカルが、キャプテン・ビーフハート。
18歳でギターを始め、チャフィ短大で和声楽、ポモナ大学で作曲を学んでいる。
ローカル・バンドで活動しながら、レコーディング・スタジオで録音技術を学び、映画音楽等を録音するようになった。
1964年、フランク・ザッパが24歳の時に、ザ・マザーズを結成。一方、ソウル・ジャイアンツに加入。ラジオ局で、DJも務めるようになる。
1966年、ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションに改名して、アルバム「フリーク・アウト」でデビューした。
今回は、1960年代にリリースされたアルバムを紹介しよう!
1966年リリース!
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
「フリーク・アウト!」
1966年6月27日にリリースされた、2枚組のデビュー・アルバム。
R&R、ドゥーワップ、ブルース、R&B、ミュージック・コンクレート、現代音楽…。様々なジャンルが詰め込まれていて、既にザッパ・ワールドは確率されている。
レコードで言うところのA・B面は、とても聴きやすい。新種のサイケデリック・ロック!と言った感じかな。
注目は、12分を超える現代音楽に影響を受けた「モンスター・マグネットの息子の帰還」。これこそ、フランク・ザッパがやりたかった音楽だろう。
このアルバムのポイントは、プロデューサーのトム・ウィルソン。バンドを見出し、とにかく演りたいように演らさせてくれたからね。
因みに、イギリスと日本では、編集された1枚でリリース。完全版は、イギリスでは1971年、日本ではCD化されてからだった。
1967年リリース!
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
「アブソリュートリー・フリー」
1967年5月26日にリリースされ、全米チャート41位を記録。
ジャズ・ミュージシャンの、ドン・プレストンとバンク・ガードナー加入が、フランク・ザッパの音楽を飛躍的に向上させた。
どんちゃん騒ぎだったデビュー・アルバムから、計算された楽曲が並ぶ。仕掛けの多い曲が、ノンストップで進んでいく。
フランク・ザッパの音楽が、難解だ!と言われたのも、このアルバムからだった。今のリスナーなら、普通に受け止めるだろうけどね。
因みに、ジャケットでフランク・ザッパと写っているのは、ウィスキー・ア・ゴー・ゴーで働いていたゲイル。この年に、フランク・ザッパの奥さんになる人だ。
1968年リリース!
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
「ウィー・アー・オンリー・イン・イット・フォー・ザ・マネー」
1968年3月4日にリリースされ、全米チャート30位、全英チャート32位を記録。
ビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を、パロったアルバム。
当時のヒッピー・ムーブメントの楽観主義を批判したもので、ジャケットとタイトルが皮肉っぽくて笑える。
ポップ・ミュージックに、現代音楽やフリー・ジャズ等、容赦なくごった煮にしたサウンドだ。
バラエティ豊かな曲が、素晴らしい編集によってメドレーのように流れていく。複雑にはなっているが、そこにはユーモアがたっぷり溢れている。
レコード会社が内容に焦ったのか、ジャケットの入れ替えや、歌詞の一部が削除されたり検閲処理されている。
因みに、エリック・クラプトンがスタジオに来たが、残念ながらレコーディングには参加していない。
フランク・ザッパ
「ランピー・グレイヴィ」
1968年5月13日にリリースされた、フランク・ザッパの初ソロ・アルバム。
キャピタル・レコードのニック・ヴェネットによって企画された、オーケストラ・アルバム。
1967年2月にレコーディングは終わったが、ヴァーヴから他のレーベルからのリリースは契約違反と言われ、1年以上日の目を見ることができなかった。
この間に、新たな素材が付け加えられ編集されていった。完成された音楽を、一度バラバラにして素材を加え組み立て直す。
フランク・ザッパの、レコーディングとテープ編集の熱量を感じることができる。
付け加えられた会話が、音楽と同等に扱われているのは、彼にしかできない手腕と言える。
因みに、このアルバムはセールス的には厳しかったが、フランク・ザッパの過激さという点では1番かもしれない。
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
「クルージング・ウィズ・ルーベン&ザ・ジェッツ」
1968年12月2日にリリース。
次作「アンクル・ミート」のレコーディング中に作業を中断して、20日程度で製作された。
ルーベン&ザ・ジェッツという架空のバンドを主人公にした、50年代のR&Bやドゥーワップ等のサウンドをオマージュ。
初期フランク・ザッパのアルバムでは異彩を放っているが、彼のルーツをこの時代にリリースしたことが興味深い。
こういった音楽がとても好きなので、このアルバムを作った!と、フランク・ザッパはコメントしていたからね。
一方、次作「アンクル・ミート」がインスト中心のアルバムだったため、レイ・コリンズを納得させるために歌アルバムを作った!とも言われている。
因みに、現在リリースされているCDは、リズム・セクションが差し替えられている。オリジナル・ヴァージョンは「グレイシー・ラブ・ソングス」として、2010年にリリース。
1969年リリース!
ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション
「アンクル・ミート」
1969年4月21日にリリースされ、全米チャート43位。
同名映画のサウンド・トラックという設定になっていて、パンフレットや絵コンテも同封された2枚組アルバム。
全28曲収録されているがインスト曲が中心で、歌ものらしいのは5曲程度。40分ものセリフが入っているけどね(笑)。
同じメロディが様々なヴァリエーションで楽曲が作られているので、アルバムは聴けば聴くほど、新たな発見があるのが面白い。
現代音楽的な楽曲が多いが、フランク・ザッパが後に展開するクラッシックに繋がっているのも、ファンにとっては嬉しいところ。
圧巻なのは、8分の3拍子で進む「キング・コング」のメドレー。この曲でのギター・インプロは、次作「ホット・ラッツ」で完成する。
因みに、映画は一部は撮影されたが、資金不足で映像化は叶わなかった。
フランク・ザッパ
「ホット・ラッツ」
1969年10月10日にリリースされ、全英チャート9位を記録。
クラッシック的要素は激減し、ジャズ・ロックやクロス・オーバー等のサウンドが中心となり、1970年代以降のフランク・ザッパの形が作られた。
前作「アンクル・ミート」でも活躍したイアン・アンダーウッドのプレイは、今作でも聴き逃すわけにはいかない。
上物のサウンドやメロディは美しいが、それを支えるリズム・セクションの安定感があってのもの。
バンドとしての安定感・方向性・編集技術。このアルバムで、本格化したと言ってもいいだろう。
「ピーチズ・エン・レガリア」を始め名曲揃いだが、「ザ・ガンボ・ヴァリエイションズ」のセッションは、素晴らしいの一言。
キャプテン・ビーフハートが歌う「ウィリー・ザ・ピンプ」は、このアルバムで存在感を示している。
因みに、イギリス・メロディ・メイカーの年間ベスト・アルバムでは、レッド・ツェッペリンの「Ⅱ」を抑えて1位を獲得している。
最後に!
1966年にデビューして、1960年代には7枚のアルバムをリリース。
実質、3年3ヵ月余りの期間でのリリースということになるが、これだけ質が高く方向性を持った音楽を短期間で製作したことにビックリだ。
音楽的手法やレコーディングを始めとした編集技術も、後の音楽業界に多大なる影響を与えたのは言うまでもない。
時代が激動していたからこそ、1960年代のフランク・ザッパのアルバムは、更に面白さがあるんじゃないかな?
この7枚だけでも、私にとっては十分すぎるくらいのアルバムだが、1970年代には更に素晴らしいアルバムがリリースされる。
1960年代にリリースされた、フランク・ザッパの名盤!
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