社会の豊かさは、ロックの多様化へと変わる!
ギター大好き~ミチヒサだよ!
今日は、1970年代のロック(その1)について。
(このページは “音楽ロック編:Vol.8” になります)
・どんなミュージシャンが、時代を作ったの?
などなど…。
音楽ロック編:Vol.7では、1960年代のロックが新たな音楽を生む!という話しだったね。
社会全体が貧しく、価値観は集約された時代。ロックに限らず、カリスマ的スターが登場したのも1960年代だった。
1970年代に向かって、少しづつ社会が豊かになってくると、人々の価値観が変わってきた。それに反応するように、ロックも変わっていった。
ここでは、変化していくロックを分かりやすく話していくよ!心配はないよ、だって…。
ここでは、私があなたの友達!
豊かさから、カリスマ的スターは生まれない!
このブログでも紹介した2大カリスマ的スターは、エルヴィス・プレスリーとザ・ビートルズ。時代を動かした、10年に1人のスーパー・スターだ。
詳細は、過去のブログを読んでもらうとして…。1970年代以降、彼らのようなカリスマ的スターが現れることはなかった。それは、仕方がないこと。それは…。
彼らを生んだ時代は、もうやってこなかった!
世界的な戦後の混乱期という時代は、1960年代で終わってしまった。人々は、混乱期から立ち上がり、豊かさを手に入れるようになる。
豊かさは、価値観の多様化を生み、個人の世界観をもつようになる。それは、ロックにおいても同じだった。
ロックは、細分化されていく!
1970年を境に、ロックは更に細分化されていく。詳細は、音楽ロック編:Vol.6を読んで欲しいが、簡単におさらいしていこう。
アメリカ:カントリー・ロック、サザン・ロック
イギリス:ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、グラム・ロック
そして、前回触れなかった新しいロックが、スワンプ・ロックだ。サイケデリック・ムーブメント中にアメリカで生まれ、イギリスをも巻き込んでいく。
スワンプ・ロックとは、アメリカ南部の様々な音楽を、ロックと融合したサウンド。ブルース、カントリー、ゴスペル…。ファンキーなリズムに、ソウルフルで豪快なサウンドが特徴だ。
では、何故スワンプ・ロックが支持されたのか?
1960年代のロックは、日を追うごとに進化して洗礼されていく。ミュージシャンもリスナーも、そんなロックに疲れた者がいたのも事実。要は…。
ルーツへの回帰!
都会の生活に疲れた者は、住み慣れた田舎へ戻る!といった感じかな(笑)。
デラニー&ボニー
レオン・ラッセル
彼らのサウンドは、エリック・クラプトンやジョージ・ハリソン等にも、ルーツ音楽の刺激を与えることになる。お互いに交流を持つことで、イギリスにもスワンプ・ロックの波が広がっていく。
デレク&ザ・ドミノス
デイヴ・メイスン
3大ロック・ギタリスト!
イギリスで生まれた、ハード・ロック、プログレッシブ・ロック、グラム・ロック。
後のロックに多大なる影響を与えたジャンルだが、ハード・ロックだけは形を変えながら世界に拡大していった。
ハード・ロックの到来は、演奏が伴奏の域を越えていく。楽曲は、ヴォーカル・メインの時代から、ギタリストに注目が集まるようになる。
それらは、一層ギタリストのプレイを活性化させ、ギター・ヒーローを生んでいく。次々と生まれる新しいサウンドやプレイが、ハード・ロックというジャンルを大きくしたいった。
当時の3大ロック・ギタリストと言えば…。
エリック・クラプトン(ex:クリーム、デレク&ザ・ドミノス)
ジミー・ペイジ(ex:レッド・ツェッペリン)
ジェフ・ベック(ex:ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート & アピス)
この、3大ロック・ギタリストという言葉は、1970年代に日本のマスコミが使り出したもの。
他にもジミ・ヘンドリックスやリッチー・ブラックモア。ピーター・グリーンやレスリー・ウェスト等、3人に負けず劣らないギタリストはたくさんいる。
では、何故この3人が選ばれたのか?
理由は幾つかあるが、考えられる原因としては…。
・3人が、全員ヤードバーズに在籍していた。
・脱退後、それぞれが個性を生かし、新たなサウンドで成功した。
比較しやすかったこともあるし、日本で人気があったからとも言える。何より、こういったキャッチフレーズがあったほうが、喰いつきやすいからね(笑)。
クリーム
レッド・ツェッペリン
ジェフ・ベック・グループ
結果、日本でもギター・ヒーローという形が根付いた。ハード・ロックは爆発的に広がり、多くのギター・キッズが誕生することになる。
ヘヴィ・メタルの登場!
ハード・ロックという言葉は、このブログでも何度も登場した。では、ヘヴィ・メタルとは、どう違うのか?
これは、私も何度も質問したし、質問されてきた。ヘヴィ・メタルは、ハード・ロックから派生したことには間違いない。そして、結論は…。
たくさん聴けば、分かる!
正直、感じ方は人それぞれ。同じバンドでも、ハード・ロックな曲もあれば、ヘヴィ・メタルな曲調もある。
ヘヴィ・メタルの起源は諸説あるので、難しいところだが…。
レッド・ツェッペリンは、ブルースを大きな音で激しくやったらカッコいいだろうな!という発想から生まれた。
ハード・ロックは、ブルージーな雰囲気があり、ジャズのようなリズムやコードが使われたりしている。
へヴィ・メタルは、クラシックやプログレッシブ・ロックの要素がある。リズムが精密で、展開の美しさや演奏テクニック。
様式美が、重要な要素になっているのも、ポイントだね。他にも…。
パワー・コード、ヘヴィなサウンド、マイナー・スケールの多用、クラッシックのような曲構成、硬派な歌詞等。もちろん、これ以外にも様々な考え方があるのは否定しない。
これらをまとめて考えると…。
ヘヴィ・メタルの起源は、ブラック・サバスということになるのかな~。
AORは、欧米と日本で意味が違う!
1970年代はジャンルの垣根を超え、それぞれが融合したクロスオーバー・ミュージックというジャンルが登場する。
日本ではAORと呼ばれ、爽やかで洗練された都会的なサウンドから、アダルト志向のロック=アダルト・オリエンテッド・ロックと呼ばれた。
アダルト・オリエンテッド・ロックとは和製英語で、欧米での呼び名はアダルト・コンテンポラリーとなる。では、欧米で言うAORとは?
アルバム・オリエンテッド・ロック!
シングル・カットしない等、アルバムを重視するアーティストのこと。プログレッシブ・ミュージック等、1960年代から使われていた言葉になる。
話しが逸れてしまったが、クロスオーバー・ミュージックは、様々なジャンルが融合していく。
ジャズからロックに接近して、大胆に電気楽器を取り入れたマイルス・デイビス。他にも、ハービー・ハンコックやチック・コリア等の音楽はフュージョンとも呼ばれた。
マイルス・デイビス
ハービー・ハンコック
チック・コリア
ロックとソウルを融合した、ドゥービー・ブラザーズやボズ・スキャッグス。フォークやカントリーとロックを融合した、イーグルス。
ドゥービー・ブラザーズ
ボズ・スキャッグス
イーグルス
日本で最初に大ヒットしたのは、「ツァラトゥストラはかく語りき」だ。1973年に、デオダートがクラシック作品を、エレクトリック・ジャズにアレンジ。
更に、リンダ・ロンシュタット、スージー・クワトロ、ジョニ・ミッチェル等、女性のロック・シンガーが登場するきっかけにもなった。
リンダ・ロンシュタット
スージー・クワトロ
ジョニ・ミッチェル
他ジャンル等と交わりながら大きくなっていったロックからすれば、特に驚くことでもないのだが、この時代は持てはやされた。
最後に!
1970年代は、ロックが細分化されていった時代。
カリスマ的スターが登場することはなかったが、人々の価値観が多様化することによって、個人の世界観が広がっていった。
ザ・ビートルズやサイモン&ガーファンクル等、1960年代に100万枚以上をセールスするミュージシャンは一部だったが、1970年代以降では当たり前になっていく。
更に1970年代後半に向かって、サウンドやジャンルだけではなく、ロック・ミュージシャンの地位が変わっていくのだが…。
この続きは、音楽ロック編:Vol.9で紹介していこう!
1970年代のロック…。
社会の豊かさは、ロックの多様化へと変わる!
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